童話:いばらの黒兎~茨城県創建伝説~
■登場人物
いばくろ君}
ただのワニ}
ナレーション}
昔あるところに一匹の黒兎がいました
その黒兎は、生まれた村が大好きなおしゃべりな子でした
黒兎が住む村の近くには荊で覆われいてる地域がありました
しかし、このいったいは危険であるため
立ち入りが禁止されていました
黒兎はイバラの向こうの世界に興味があったため
絶対にいつか向こうの世界に行ってやると思っていました。
向こうの世界にいけたら自分が住んでいる村の良さを伝えたい。
そう考えていました。
危険地帯の近くにはワニたちが住んでいました
ワニはウサギを食べてしまいます。
そのため、両親からあそこはとっても危険だから近づいてはいけないよと
何度も何度も言い聞かせられていました。
ある日、うさぎは良いことを思いつきました。
良いことを行うために
危険地帯の近くへ赴き一匹のワニに話しかけました。
ウサギ}
やい、わにくん
僕の名前はいばくろ君
仲よくしよう
ワニ}
うまそうな肉がしゃべってるな
食っちまうか
ウサギ}
ちょっと待ってくれ
僕は君と仲良くしたいんだ
ワニ}
ごちゃごちゃとうるせー肉だな
黙らせるか
ウサギ}
肉なら僕なんかよりも、いい肉のありかを知っている
話を聞いてくれ
ウサギはあきらめずに話し続けました
あのバラの向こうに何があるか知ってるかい?
僕は知ってるよ、
なんでかって?
僕にはウサギの耳があるからだよ
そう
ノミの瞬きの音だって聞こえる耳がね
この耳で荊の向こうの世界の情報を聞くことができるんだ
なんでもお肉をネバネバにした極上の食べ物があると聞くよ!
そう、君の大好物の
本当においしいお肉があるんだ。
もちろん黒兎にはバラの向こうの声など聞こえるはずもないので
本当にそんなおいしいお肉などあるはずもありません
ワニ}
うるせえ
その自慢の耳を食いちぎるぞ!!
ウサギは臆することなく話し続けます。
ウサギ}
君はどうだい
あの向こうに何があるか知りたいとは思わないかい?
伝説のお肉を食べたいと思わないのかい
ワニ}
うるせい
その減らず口をくらうぞ!!
ウサギは意地でワニに話しかけました
ウサギ}
わかった、君は怖いんだ
その自慢の硬いうろこと何でも砕く強靭な顎が荊に負けるのが
ワニ}
うるせえええええええええええ
今までと違う
とても大きな声があたりに響き渡りました
ウサギはもう食べられる諦めようそう思いました。
ワニ}
わかった。
荊の向こうに行ってやろう
しかし、荊の向こうに伝説のネバネバのお肉がなかったら
お前の一族を丸焼きにして喰らってやるからな
そして、二人はバラを突き進みました
ウサギ}
やっぱり、君は最高だね
君を選んでよかったよ
ウサギ}
音を聞く限り
荊を抜けるにはこのペースだと
2時間後くらいだと思うよ
その間僕は寝てるから頑張ってくれ
しかし、2時間がたっても荊を抜けることはできません
ワニ}
2時間たったぞおきろお
ウサギ}
えっついた?
ワニ}
つかねーんだよ
ウサギ}
君のペースが遅いんだよ
あと1時間くらいかな
ワニ}
そうか
1時間後
ワニ}
まだか、
全然つかねーじゃないか
ウサギ}
おかしいな
もうすぐなはずなんだけど
ワニ}
実は嘘だったってことはないよな?
ウサギ}
まさか、何度も言うけど
僕の耳はノミの瞬きの音も聞こえるんだ
その時でした
ウサギの体からのみが現れて
ワニの目の前でぱちくりと
瞬きをしたのです
ワニ}
おいうさぎ
きこえたか?
いまの
ウサギ}
え?なにを
ワニ}
ノミの瞬き
ウサギ}
まさか、ノミは瞬きをしないよ
ワニ}
今瞬きをしたんだよ
って、やっぱりおまえ耳が良いっていうのは
嘘だったんだな
食べてやる おおおおおおお
ウサギ}
にげろおおおお
ウサギさんは必死になって、体に傷を負いながら荊の方へ逃げいていきました
すると荊のほうから光が差し込んできました
ウサギは慌てて光に飛び込みました
すると、荊の向こうは崖で
そのまま崖の下に落ちてしまいました。
その時です
慌てたウサギは大きな声で
「いばらきけーーん」と叫びました
村一帯にまで聞こえる大きな声で叫んだのです。
それからこのあたり一帯は
茨城県と呼ばれるようになり
黒兎を鎮魂させるためにネバネバの畑のお肉の納豆をお供えする文化ができましたとさ。
めでたしめでたし
お話を読んでいただきありがとうございます。
拍子抜けする結末だったと思います。
この物語は、いばくろ君の「村の外に出て、村の良さを伝えたいという気持ち」で動き出します。
黒ウサギは自分たちの捕食者であるワニを騙した事で、
一つの夢が叶うあと一歩のところまでたどり着きました。
結果としては崖の下に落ちてしまいますが。
お話の中では何一つ達成できなかったウサギさんでしたが
命を懸けた黒ウサギは、このお話を読んだ私たち読者に小さな変化を与えました。
それは、
茨城県の読み間違いを減らすという変化です。
【誰かが勇気を出して起こした小さな変化が、
本人も予想しえなかった所で影響を与え変化を生んでいる。
その積み重ねが僕たちを構成している。】
茨城県の読み方が「いばらきけん」「いばらぎけん」どっちだったかなと悩んだ時は
命を懸けて外の世界へ飛び出した黒うさぎさんのことを、この拍子抜けするお話を思い出してやってください。